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ちょっと遅くなったけど高校ときから友達のみんなで休み合わせて海水浴。それぞれの社会があって久しぶりーなんつってさ、見たこと聴いたこと持ち寄って大げさに吹聴したり。あーいろいろあったけどやっと結婚したんだおめでとーなんて言って、よっ幸せモノとか冷やかされて「おいテレビの落とし穴みたいのにダンナ嵌めちゃおーぜ」なんて誰かがコソコソ言い出したんだよきっと。

ダンナ引っ張っていって残りのメンバーで大汗かきながら落とし穴掘って、うきゃうきゃ笑ってもうちょっと掘っちゃえよとかこれヤベーよとか大丈夫大丈夫とか言って。誰かブルーシートとウレタンのボード買ってきてよとか、砂かぶせてウワ完璧ジャンとか言って夕方。関係ない人が落ちてドッキリが台無しにならないように近くに来た人にごめんなさい当番もこなしながらバーベキューしたりビール飲んだり花火したりしてさ。いよいよ。

ヨメさんがちょっと離れてあっち行かない?とかキュー。なんか大事な話ある素振り見せて、もしかしてアレ?とかな調子で一緒に行くじゃん。もうみんな顔隠してクック笑ってさ、嵌った合図で駆けつける予定。もしかしたらラジカセに未来予想図Ⅱとか仕込んでたかもよ、シャンパンとかクラッカーとか準備してたかもよ。


合図は悲鳴だった。


その時までは完璧な夏休み、毎年こうやって集まろうぜとか、順番に結婚したり子供できたり大きくなっていったり、仕事が変わったり遠くに生活移したけど夏だけは集まろうとか、そんな口約束も全部台無し。もうどうしたって会えない人が出来ちゃっちゃ集まれてももう台無し。

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